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Channel: 日刊サイゾー
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「コミケを終了させないために」黙々と策を練り交渉する、コミックマーケット準備会の真実

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 7月15日、コミックマーケット84を前に第三回拡大準備集会が、東京ビッグサイト会議棟で開催された。児童ポルノ法改定問題やTPPなど、政治的な問題が山積する中で開催されたこの集会では、準備会と参加者の双方から、これらの問題に対する発言がなされた。  拡大準備集会は毎回、コミックマーケット前に開催されるもの。スタッフのみならず一般参加者も参加し、準備会に対して質疑が行われる場だ。今回、コミックマーケット84の開催を前に、さまざまな政治的問題が持ち上がっている。児童ポルノ法改定問題やTPPといった従来の問題に加えて、「規制派」といわれる元・東京都副知事の竹花豊氏が東京ビッグサイトの社長に就任したことも、一部の参加者に不安材料を与えている。ネット上では「コミケ終了か」とまで言い出す気の早い人もいるほどである。  今回、開催曜日が土・日・月の3日間という変則的な形(通常は金・土・日)になったことなどもあってか、質疑の時間には、政治的な問題からイベント自体の改善点まで、多くの質問が行われた。  この中で、コミケの直面する表現規制の問題について対応したのは、市川孝一共同代表である。まず、竹花氏が東京ビッグサイトの社長に就任したことについて、市川共同代表は、まだ面会はしていないとした上で、 「誰が社長になろうと、同じような対応をしていく。ビッグサイトからの要請を受けて熱中症対策をやっているのと同じだ。竹花氏からなんらかの要請があった場合にも、ポリシーを曲げない限りでやっていく」 と、決意を述べた。  さらに、児童ポルノ法改定問題については、今年5月の自公維による改革案提出の際に、準備会として声明を発表したことが、極めて異例な事態であることを強調した。これに関して市川共同代表は、 「コミケはケンカするわけにいかない。ケンカすれば、勝ち負けがあっても問題が出る。なので、我々は話し合いをしていく。これからも話し合いを続けていくつもりだ」 とも述べた。この後、市川共同代表からは「(反対声明しか出さない準備会に対し)今では“表現の自由を殺す手伝いをする連中”との声もある」と、表現の自由をめぐる問題に対する準備会の姿勢を「弱腰」と見る人々がいることも、把握していることをにおわせた。  それもあってか、今回は「外から見ると、見えない部分がある」と、水面下で行われている表現の自由を守るための活動への、一歩踏み込んだ発言が行われた。その上で、「これから先、公開できる情報が出てくれば、サイトなどでしっかり公開していく。どこかで、急なシンポジウムを開くことがあった場合には、参加してもらいたい」と、あらためて参加を要請した。また、運動の方針として「(これまで活動してきた)うぐいすリボン、コンテンツ文化研究会、赤松健さんらとも協力してやっていきたい」ということも繰り返し述べた。  不安材料を抱えながらも、コミケが今回で終了なんてことはまずあり得ない。とはいえ、コミケが常に“開催できるか否か”の危機にあるのは事実だ。今回の準備集会では、警視庁が『黒子のバスケ』脅迫事件の捜査のために関連サークルの名簿提出を準備会に要請し、準備会側が再三にわたって拒絶していることも明らかになった。  もはや、コミケはアングラなイベントではなく国際的な開かれた空間になっている。この空間を今後も維持していくことは、並大抵の努力ではない。場を維持し続けるために、準備会は黙々と活動をしている。 (取材・文=昼間たかし)

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