昨年10月に大麻取締法違反(所持)で逮捕され、懲役1年を求刑されている高樹沙耶(本名・益戸育江)被告が、沖縄の一部麻薬犯罪者から“神格化”されている。 昨年、大麻所持で逮捕された20代の男性は釈放後、SNSで「やっぱ高樹沙耶さんが神。外から見えない砦を作って93エリア確保。そこまでやれってこと。選挙まで出て解禁を叫んだのって女神だ。ガチ尊敬」と書いた。「93」というのは大麻の隠語「クサ」のことと思われる。この記事には訪問者からも賛同の声があり、中には「93捧げたら砦に入れてくれるかな高樹さん」と書く者もいた。 砦というのは、おそらく高樹被告が石垣島で運営していた宿泊施設「虹の豆」のことだろう。現地・石垣島に行ってみると、男性の言う通り、施設は外から中の様子がほとんど見ることのできない木々の中にあり、入り口はチェーンで封鎖されている。「立入禁止」と書かれ、さらに監視カメラと見られるものまでが正面に設置。まさに「砦」のようなのである。高樹被告は先の公判で、この施設の運営を再開したい旨を述べてもいるが、そうなれば高樹被告を敬う麻薬愛好家たちがここに集う可能性も捨てきれない。 何しろ沖縄県内では薬物事犯が急増中で、昨年は175人も摘発され、2004年以降過去最多を記録した。その多くが大麻によるもので、大半が20代の若者である。3月29日には、沖縄の通信制高校に通う18歳少年ら4人が大麻取締法違反の疑いで逮捕された。那覇署によると、18歳の男子高校生と24歳の自営業が譲渡で、18歳の解体工と24歳の会社員が所持の疑い。容疑を否認している自営業の男は勾留されているが、ほかは罪を認め、それぞれ家裁送致や刑事処分が下されたという。 県内で7年前から大麻や危険ドラッグの使用防止活動をしている私設パトロールチームの饒平名実さんによると「危険ドラッグをやっていた連中が最近は次々に大麻に移行していて、高樹沙耶事件も悪影響があった」という。 「高樹被告の件は、彼女が所持の点を頑なに否定する抵抗をしたことで、“所持はダメだけど使用は違法ではない”という言い逃れの論理を広めてしまいました。万が一、摘発されても『所有者は別人』と証明できれば無罪になるのではないかというわけです。実際にその通り、無罪放免となるかはわかりませんが、選挙で大々的に大麻のメリットを叫んだこともありますし、大麻愛好家の女神みたいになってるのは最悪の流れ」(同) 実際、高樹被告の弁護側は「大麻は被告の所有物ではない」などと最後まで無罪を主張し結審。判決は4月27日に言い渡される予定だが、その動向には大麻信者も注目しているようだ。 現在、沖縄では海上や離島を利用しての麻薬密輸が過去最大量の規模となっていることから、県警の捜査も手いっぱいの様相。そんな中、調達がしやすいともいわれる大麻利用の急増は、同時に高樹被告への尊敬という奇妙な現象を加速させるのか。そのあたり高樹被告本人に見解を聞くべく「虹の豆」から車で20分ほど走った石垣島の自宅に行ってみたが、人の気配はなく、彼女の話を聞くことはできなかった。やはり潜伏しているのは、外の目から逃れられる砦のほうなのだろうか? (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)中毒者が「砦」と呼ぶ宿泊施設「虹の豆」
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大麻で逮捕の高樹沙耶が“神格化”!? 中毒者が石垣島の宿泊施設に集結か
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