東京都知事選に立候補しているジャーナリスト・鳥越俊太郎氏が、「週刊文春」(文藝春秋)が「『女子大生淫行』疑惑」とする記事を掲載したことに対し、「事実無根」として東京地検に公選法違反(選挙妨害)などで刑事告訴するとした。同氏の弁護士は文春側に送ったとする抗議文を公開し、「疑惑がいかにも真実であるかのごとき印象を与える」と反論した。 この件に関する疑惑の信ぴょう性は別にして、「事実無根」という言葉に、出版関係者からは「前にもそう言って、事実だったことがある。あの人の“事実無根”はアテにならない」という声が上がっている。 「今から10年前、鳥越さんはネットニュースサイト『オーマイニュース』の編集長を就任わずか1年で辞めてしまったことがありましたが、このとき事前に辞任をキャッチされた鳥越さんは『辞任は事実無根』と言っていたのに、実際にはほかで辞任について漏らしていて、その音声の録音が証拠として公開されたんです」(同) こう話すのは、その「オーマイニュース」に関与した出版関係者だ。韓国発ニュースサイトの日本版ということで、鳥越氏は2006年5月に初代編集長に就任。韓国通で知られるジャーナリストの青木理氏を副編集長に従え、華々しくスタートした。記者ではない一般市民が記事を投稿する仕組みに、鳥越氏は「日本のメディアの状況を一変させる」と大きく旗を振ったが、素人投稿の記事は質が上がらず、極端に偏った内容や、記事とは名ばかりの感想文のようなものも目立ち、次第に批判コメントが急増。創設からわずか8カ月後の07年1月、あるメディアに鳥越氏の辞任がスクープされ、参加者も困惑する大騒動となった。 「その際、鳥越さんはスクープをガセネタ扱いし、『記者を訴える』とまで言ったんですが、結局は辞任を漏らした音声が公開され、慌てて辞任を認め、『がんの手術で無理しないほうがいいと医者に言われた』と降参したんです。あっさり『媒体の立ち上げは終わったので、もう役割はない』と無責任なことを言って、その二枚舌に、スタッフも読者もみんなびっくりしたんですよ」(前出の出版関係者) 結局「オーマイニュース」はこうしたゴタゴタでさらにイメージが地に落ち、開設4年目の09年に閉鎖、結果的に大失敗に終わった。そのため当時、サイト内部からは「鳥越さんは編集長に就任したのにワイドショーやCM出演がメインで、ネットにも疎くて、しっかり仕事をしてくれなかった」と不満を漏らす声もあった。 当時、この件を追ったジャーナリストの野田敬生氏も、メールマガジンで「鳥越氏はとてつもないウソツキである」「鳥越俊太郎氏の顕著な特徴は、人をウソツキ呼ばわりしながら、結局は自ら大筋事実関係を認めてしまうことだ」という強烈な批判を書いている。 一部メディアでは鳥越氏の年俸は2,500万円だったとも報じられたが、いずれにせよ一連の騒動はネットユーザーの間で「鳥越氏の黒歴史」と呼ばれるようになっており、前出の出版関係者も「記事が事実であるにもかかわらず『事実無根』とウソを言い張り、訴訟すると相手を威圧した前例があるので、今回の文春記事がウソだと思えないところもある」と話す。 「体調不良を理由に、受けた仕事を1年足らずで放り投げたことも、健康不安の声に反論できない気がします。都知事の仕事はまた別の話ですから、“だから投票するな”というものではないですが、あまりに『オーマイニュース』の騒動とかぶるので、デジャブのようです」(同) 過去に政治家への出馬オファーがあったときは「4年間やるだけの体調維持に自信がない」とも言っていた鳥越氏だが、選挙に出れば途端にそうした過去の言動が蒸し返されるのは仕方ないところもある。本人はそれを、どこまで覚悟していたのだろうか? (文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)鳥越俊太郎公式サイトより
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また「事実無根」か……“女子大生淫行疑惑”鳥越俊太郎氏の黒歴史「オーマイニュース」騒動のデジャブ感
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