「STAP細胞はありま~す」と、世間を騒がせた元理化学研究所・ユニットリーダーの小保方晴子氏が出した著書『あの日』(講談社)に、出身の早稲田大学理工学部の学生たちから怒りの声が上がっている。 「こっちはあの人のせいでレポートがやたら厳しくなったりしているのに、稼げるうちに金儲けですか」(理工学部3年) 「『入院して思考力と集中力が低下して、論文を書けない』とか言ってたのに、そこから3カ月もたたずに本を出版する小保方さんにはあきれますけど、これで商売する講談社はもっと不快」(同2年) 話を聞いた理工学部8名のうち7名は、不快感からその著書を手にも取っていないとしたが、ひとり2年生の女性は「参考までに読んでみた」という。 「中身に新事実があったりもせず、ほかの話でごまかしている感じでした。STAP細胞のプロジェクトがあったはずの大学の博士論文のところまでちゃんと振り返ってもいないし、とても元研究者とは思えないほど主観的で、自分のイメージ回復用という感じで余計にガッカリしました」(同) ただ、書籍の売れ行きは良く、Amazonの売れ筋ランキングでも1位、都内の書店でも「発売から2日で17冊が売れた」という話を聞いた。本の中身は「若山照彦教授にだまされた」とする責任転嫁が半分ほどを占め、ほかはマスコミや理研内のリークへの批判などで、STAP細胞の研究自体に関することはかなり少ない。黒幕であると名指しされた若山教授の反応が気がかりなところではあるが、教授に近い人間にコメントをもらおうとしたところ「まだきちんと本を読んでいないらしいので、時間が必要」とのことだった。 また、博士号の取り消しを決めた経緯について「大学の教育方針よりも社会風潮を重視した判定」と批判された早稲田大学も、広報が「内容を見ていないので、なんとも言えません」ということだった。 関係各所は、この件に、もうあまり関わりたくなさそうな印象だった。大学関係者からも、非公式ながら「騒動が大きくなればなるほど彼女の本が売れる炎上商法で、我々はイメージダウンを被るだけで不愉快極まりない」という声があった。 本書に対して、世間からもネガティブな感想が寄せられているが、この書籍の印税は相当なものとなりそうだ。周囲の困惑がこれだけ大きくても、稼いだもん勝ちというわけか。 (文=ハイセーヤスダ)撮影=吉田尚弘
↧
「STAP細胞はありま~す」小保方晴子氏『あの日』に早大生激怒も、バカ売れで本人ウハウハ状態!?
↧