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『絶歌』(太田出版)
神戸連続児童殺傷事件の加害者である酒鬼薔薇聖斗こと「元少年A」が書いた手記『絶歌』(太田出版)が、皮肉にもベストセラー化。この本を仕掛けたのは別の出版社を経営する大物プロデューサーだが、この勢いで早くも“第2弾”を画策しているという。
「次は酒鬼薔薇に書かせるのではなく、社会復帰後の彼を知る人物たちの証言をまとめたものにするというプランがあるらしく、さらに酒鬼薔薇の動向を映像化したものを制作する提案まで持ち上がっているとか」(出版関係者)
皮肉にも『絶歌』は遺族の回収を求める声や世間のバッシングが広告効果となって売れ続けている。読書好きで知られるクリス松村が「吐き気がした」と批判しても、これまた記事になって本の宣伝になってしまっている。
そのため“第2弾”を計画しているのは『絶歌』の関係者ばかりではなく、他の出版関係者も便乗ビジネスに乗り出そうと躍起だ。ある週刊誌の編集部でも「酒鬼薔薇についての情報を何でもいいから集めろ」と指示が出ており、専属カメラマンも「すでに追跡を開始している」という。
「ただ、今回の本を出す直前に、それまでいた場所から姿を消していて、その反響も想定した動きをとっているようなので厄介」とカメラマン。
別の雑誌の記者は「現在を追うのはもちろんですが、著書に書かれている話が本当なのか、検証作業をしている」ことを明かした。
「何しろ酒鬼薔薇には強力な支援者がいて、一時期、六本木ヒルズに出入りしていたという話があったほど。肉体労働で各地を転々としていた話が本当かどうかは、怪しいところもあります」
たしかに『絶歌』は酒鬼薔薇が自らの社会復帰を美談のように書いた部分もあって、その逆襲となるような本があれば売れることは間違いない。ただ、酒鬼薔薇を追うのはこうした記者だけでなく、右翼団体の幹部も会員制のメールマガジンで「本を出した仕掛け人も許せないし、日本人の価値観を揺るがす行為だ」と激怒。「裏社会とのネットワークとも連携して、真実を暴く何らかの行動に出る」と書いている。
また、事件現場などを動画配信して資金を募る一部のネットユーザーが「かつて酒鬼薔薇が登録していた派遣会社を突き止めた」として足取りを追っている。
酒鬼薔薇は事件当時、新聞社に送りつけた声明で「これからも透明な存在であり続けるボク」と書いていたが、出版後の「元少年A」はまるで“賞金首”のよう。“透明な存在”ではいられないかもしれない。
(文=ハイセーヤスダ)