下水から採取した油を精製した食用油「地溝油」をはじめ、羊肉と称するネズミやキツネの肉、カドミウム汚染米などなど、日本では考えられないような毒食品が流通する中国。くれぐれも日本の食卓に流入しないことを祈るばかりだ。一方では、中国を訪れる日本人は毎年約400万人。両国の経済的結びつきがより密接なものとなる中、好むと好まざるとにかかわらず、商用や出張で中国を訪れる日本人も少なくない。 日本であれば、中国産食品を避けることで毒食品から身を守ることはある程度可能だが 、中国で“チャイナフリー”は不可能な話。では、食品衛生上、危険地帯といえる中国に行くことになったら、現地でどう身を守るべきか? 中国取材を続けるルポライターで、『忍びよる中国汚染食材・食品』(宝島社)にも寄稿している奥窪優木氏は、「完全な防御策はない」としながらも、リスクを低減させるポイントを以下のように挙げる。 ■地元客がたくさんいる店を選ぶ 駅やバス停の近くでよそ者相手に営業しているような店は、そもそもリピーターを当てにしていないため、得てして味も悪いし衛生レベルも低い。客の身なりや、店員とのやりとりなどから判断し、地元民が多そうな店を選ぶべし。 ■屋台を利用する時は決死の覚悟で 地元民に混ざってローカルフードを食べるというのは、旅の楽しみのひとつだが、地溝油をはじめとする偽装食品の宝庫なので、覚悟の上で。ちなみに一定以上の所得層にある中国人は、毒食品を恐れ、決して屋台を利用しない。利用しているのは低所得者と旅行者が大半。 ■開店したばかりの新しい店で食べない 中国には、店を潰しては場所や名前を変えて新規オープンを繰り返す、騎馬民族的な営業を続ける飲食業者も多い。そうした店の中には、潰れるまでの短期決戦で利益を出そうとするため、安全性を度外視した食品のコスト削減を行っているところもある。看板が真新しいような店は要注意。 ■飲食店が密集しているエリアで食べる 中国では、飲食店の営業許可が取れるエリアは限定されている。ほかに飲食店がないような住宅地やオフィス街にぽつんとある店は、不法営業の疑いがあり、食品に関するモラルも低いと考えられる。新規オープンの店と同様、摘発されるまで精いっぱい儲けようと毒食品を利用している可能性アリ。 ■新聞販売スタンドでミネラルウォーターを買わない 都市の路上には至るところに「郵政報刊亭」と呼ばれるスタンドがあり、切手や新聞に並んで飲み物やスナックも売られている。しかし、省にもよるが、こうしたスタンドには、食品を販売する許可は与えられていない。かくいう私も、郵政報刊亭で購入したミネラルウォーターで 腹を下した経験がある。あとで思い返せば、キャップの締まりが甘かったので、中身は水道水だったよう……。 * * * さらに慎重になりたい場合は、日本から携行食を持っていくしかなさそうだ……。 (文=牧野源)
↧
開店したばかりの店は要注意!? 中国で毒食品から身を守る方法
↧