女子高生を脅して働かせていたとして、東京・秋葉原のJKカフェ「リゾートカフェ&バー」を経営する近藤誠容疑者が逮捕された。近藤容疑者は芸能プロ「エリアプロモーション」の社長でもあり、その公式ホームページには上西小百合衆院議員の名前もあったが、実際には契約を交わしておらず、上西議員のデータを無断で掲載していたという。 このエリアプロ、ほかでも「知り合いのタレントに『マネジメントをやらせて』という話を片っ端からしていた」という話が業界人から聞かれており、所属タレント不足に困っていたようだ。 「もともと怪しいところで、かつて所在地を新宿としていたけど、実際にはその住所にオフィスはなかったようだし、芸能プロなのに会社の資本金や代表なども掲載していなかったり、素人が見ても、まともには見えなかった」(別の芸能プロ関係者) そのせいか、近藤容疑者がスカウトするのは、仕事経験や知識に乏しい未成年女性が多かったという。 「相席居酒屋でスカウトしていたなんてウワサもあったくらいだし、アイドルグループのメンバーを引き抜こうとしてモメたこともあった」(同) かつて、ベースボールガールズ(現・ベボガ!)なるアイドルグループが在籍していたこともあったが、こちらは昨年に所属を離れている。最近のホームページには上西議員のほか、「所属タレント」の欄に峯宇美七虹、オサフネロア、キナリの名前だけがあったが、実際に所属していたかどうかは不明だ。 近藤容疑者の逮捕容疑は今年3月、高校2年生の女子生徒に「俺は元暴力団員だ」と言って脅し、店内のカメラで監視しながらビキニ姿で接客させたという児童福祉法違反(有害目的支配)。女子生徒は「怖くて辞められない」と警察に相談したという。 同カフェは女子高生タレントが勤務すると宣伝していたが、元アルバイトの女子高生によると「働いていた子で、タレントなんて見たことがなかった」という。 「接客した客が飲食代を使ったら4割をもらえる仕組みでしたが、それ以外はどれだけ働いても基本給は500円だったから、すぐに人が辞めていました。社長は人前ではニコニコしていましたけど、2人だけになると怖いところがあった。辞めるときにモメることがあると聞いていたから、私も知り合いの男性3人に来てもらって、逃げるように辞めたんです」(同) マッサージのJKリフレ、デートのJKお散歩など、女子高生を題材にしたJKビジネスは今、社会問題となっている。10年以上前から秋葉原などを中心に広がったが、当初は単なる成人女性の女子高生コスプレだったはずが、現役女子生徒を使う店が出始め、不当搾取や違法営業も後を絶たず、海外の人権団体からは「未成年の人身売買」とまで言われてしまっている。 そのため東京都は3月に、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す「特定異性接客営業等の規制に関する条例」を制定しているが、JKビジネスに詳しいフリーライターに聞いたところ「これでも摘発例はかなり少なく、違法な店はまだいくらでもある」という。 「表向き合法に見えても、裏オプションといわれる特別メニューが存在して、主に性的なことをさせるんですが『本物の女子高生』を裏オプにしている業者もあります」(同) 近藤容疑者が取り仕切っていた芸能プロも、主に若い女性の売り出しを中心に据えていたようで、JKビジネスとつながるものだったのかもしれない。こうした事件が増えるようだと、さらに規制を強める必要が出てきそうだ。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)
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「俺は元暴力団員だ」女子高生をビキニ接客させて逮捕された芸能プロ社長と、秋葉原「JKビジネス」の現在
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