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“時代の寵児”だった「ピザNAPORI」倒産の衝撃……経済誌記者が明かすその実態とは

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イメージ画像(足成より)
 メディアがもてはやしていた飲食チェーンが、アッという間に潰れてしまった。ピザ店「NAPORI」「Napoli's」など、フランチャイズを含め70店舗以上を展開していた遠藤商事・Holdings.が、4月28日に東京地裁より破産手続開始決定を受けた。昨年9月期に約25億円の年売上高を計上していたが、急激な事業拡大で資金繰りが追いつかず、12億円以上の負債となった。  社長の遠藤優介氏は、時代の寵児とばかりにメディアに出まくって注目を浴びていた人物だ。 「木箱に入れられ、川を流されていたところを住職に助けられた」 「イタリアセリエAのユースチームと3年契約した元サッカー選手」  その特異な経歴は、まさにマスコミが飛びつきそうなもの。2011年に立ち上げたピザのファストフード店では、ピザを60秒で焼ける機械を開発、ランチ500円のワンコインピザも話題となった。ほか、ラーメン店、カレー店などを多角展開し、ベトナム、バリ、香港にも出店。昨年は「JAPAN VENTURE AWARDS 2016」で、中小企業庁長官賞も受賞していた。 「ピザを日本人の主食にしたい」 「ライバルはマクドナルド」 「夢は教科書に出ること」 「ナポリに店を出すのが目標」 「売上高5000億円を目指す」  インタビューでは過剰に大きな話をしていた遠藤氏だが、「こういう話で急成長をアピールしたり、多角経営をするのは、むしろその裏で資金繰りに苦しんでいることが多い」と経済誌記者。 「事実、今年度に見込んでいた売り上げも70億円で、これは到底、無理な目標でしたよ。過去、あびる優プロデュースの新メニュー発表イベントや無料コーヒーの配布、LINEスタンプをクーポンにするなど、いろいろなアイデアを出して注目を集めることには長けていたのですが、それで身の丈を大きく見せることがやめられなくなっていたのでは」(同)  実際、細かいところに目が届いていない、地に足が着いていない部分がネット上では指摘されていた。都心の店でテーブルが汚いままだったり、客から「水をください」と頼まれ、ぶっきらぼうに「ミネラルウォーターを買って」と言い放つ店員がいたという。  マルチ商法の勧誘をしている人々が席を占拠していたことも報告され、これらはファストフード店でありがちなことだが、ピザの販売だと客の方がまだレストラン感覚で見てしまうところもあったようで、イメージダウンもあった。 「350円のピザに客が殺到した時も店員がかなり不機嫌な対応で、敬語もまともに使えないギャル男もいました。店によってピザの出来にバラつきがあったり、こういう従業員の教育システムができていないまま店舗ばかりを拡大すると大失敗するケースが多く、まさにその典型だった気がします」(前出記者)  メディアで伝えられる派手な話だけ聞いていると革命的な成功者に見えたが、利益確保が不十分なままの拡大路線は背伸びしすぎたようだ。いずれにせよ、ピザの主食化やマクドナルド越えなど、その夢の数々は達成どころか近づくこともできなかった。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

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